「ノルディック・フィットネス・ウォーキング」「ノルディック・ウォーク」「ポール・ウォーキング」「ポール・ウォーク」など、様々な名前で呼ばれていますが、どれも「2本の杖を使った全身運動」の事です。
もともとは、ウィンター・スポーツの選手たちが、夏季の体力維持やトレーニングの一環として行なっていた運動で、フィンランドをはじめとする北欧圏(つまりノルディック)で話題となり、その後「季節・性別・年齢を問わず、誰にでも手軽に行える全身運動」として世界中に広まりました。 当初はスキー・ストックを使用することが一般的でしたが、現在では専用ポールを使用するのが一般的です。
あれ?もしかして、ここまで読んで疑問が浮かんでいませんか? そうです。このポールを使ったウォーキングは「運動」が目的なのです。
ではなぜ、わざわざポールを使って歩くのでしょうか?
答えは「全身運動」という部分にあります。 もともとは『クラシカル・クロスカントリー・スキー』の選手(或いはコーチ)がトレーニングのために考案したものだそうです。クラシカル・クロスカントリー・スキーは「大きく摺り足する様にスキーを左右交互に滑らせる交互滑走 (ダイアゴナル)、左右同時に突いたスキーポールを支持点にし腰・背中の屈曲によって揃えたスキーを滑らせる推進滑走、スキーをV字状に大きく開き雪面に内側エッジを掛ける様に左右交互に置いて坂を登る開脚登行、またはこれらのバリエーション的走法をコース地形や状況に応じて使い分ける(wikipedia抜粋)」というスポーツです。 つまり、足だけではなく腕の力も必要となります。
通常のウォーキング(歩行運動)やランニングでは腕はあまり使用されません。
ポールを使用したウォーキングでは腕を大きく動かす、或いはポールを使って身体を押し出す必要があります。 正しい姿勢でポールを使用することで、身体の実に90%ほどの筋肉を使用し、効率よく運動することが出来るそうです。
また、ポールを使用することにより姿勢の矯正効果、関節に対する負荷の軽減が医学的にも認められていますし、高血圧や高脂血症など激しい運動ができない方の運動にも推奨されています。さらに、ランニング等でみられる腰椎・頸椎への衝撃によるダメージやランナーズニーなども起こりません。
さて、そろそろ本題ですが、皆さんこのポールを勘違いして使っていませんか?
どういう事かと言うと、歩行補助具としての使用を検討されている方が意外と多いということです。 一般的な杖と異なりウォーキング用のポールは全体重を支えるようには(基本的に)設計されていません。 ※一部の商品において設定耐荷重が100kgを超えるものも存在します。
ウォーキング用のポールは運動補助具で有るがゆえに軽量化されており、人ひとりの体重を支え続けることは出来ないのです。
普段歩くときは「普通の杖」。 お散歩やハイキングには「ウォーキングポール」。 お呼ばれやかしこまった場所には「フォーマルな杖」。
靴や洋服を買えるように「杖」も変えてみるのはいかがでしょうか?
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